不用品回収ここだけの話

遺品整理は誰がすればいいの?状況別に自分か業者か判断しよう

Posted by 2019.09.10 Business vector designed by Freepik
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亡くなった故人の遺品を整理しなければいけない時、誰がその遺品を整理すべきか迷ってしまうことがあります。
自分でやる方がいいのか業者に任せる方がいいのか悩んだり、自分たちでやる場合は遺族の誰がその責任を負っているのか悩んだりするでしょう。

この記事では遺品整理を行うべきなのか誰か、そして業者に任せると良いのはどんな場合かを状況別に解説したいと思います。

遺族の誰が遺品整理すべき?

まず遺族の中で誰が遺品整理する責任を持っているのかという点を見てみましょう。
結論から言うと相続人全員が遺品整理を行わなければいけません。
誰かが亡くなると、その人の遺産は相続人に引き継がれます。
相続放棄をする場合は話が変わりますが、相続するのであれば遺品に多少なりともかかわりを持つことになります。

遺品整理と聞くと故人が使っていた家具や家電を処分したりゴミを出したりするイメージがあるかもしれませんが、そうした作業以外にも貴重品の捜索や処理、原状復帰など様々な作業を包含します。
全ての作業を行うには相当な手間や時間がかかることもあるので、誰かに任せきりにせずに関係者すべてが積極的に関わるべきです。

とはいえ実際には相続人全員が同じ仕方で遺品整理するのは難しい場合があるでしょう。
例えば故人の家の近くに住んでいる相続人と遠くに住んでいる相続人とでは故人の家で過ごせる時間が違います。
現実的な見方をすれば、近くに住んでいる人がより遺品整理に深くかかわることになるでしょう。

しかし相続人の誰かに重点的に遺品整理の負担がかかってしまうのは気の毒なので、相続人全員が事前によく話し合って遺品をどう処理すべきか決定しておくのが大事です。
もし特定の相続人に負担を強いるのであれば、ほかの相続人は相続分割で穴埋めをしたり、かかる費用を肩代わりするなどの配慮を示さなければならないでしょう。

ちなみに相続分割した後は、特定の相続分を受け継いだ相続人がその管理を担当することになります。
例えば家を所有していた父親が亡くなって息子の一人が家屋を受け継ぐ場合はその息子が遺品整理しなければいけません。
誰がどの遺品を受け継ぐかを話し合って、その遺品に対する責任の所在を明確にしましょう。

相続放棄した人は遺品整理してはダメ

相続人は故人の相続財産を受け取ることもできますが放棄することもできます。
放棄することを「相続放棄」と呼びますが、もしこの手続きを行う場合、その相続人は遺品整理をすることはできません。
プラスの遺産もマイナスの遺産も手放すことになり、もし遺品整理をしたら相続放棄が認められなくなります。

相続放棄は遺族全員ではなく個人個人行うことができるので、もしある相続人が相続放棄したら別の人がその相続物に対する責任を持つことになります。
もし相続人全員が相続放棄したら、家庭裁判所で相続財産管理人が選ばれ、債務者への支払いや残った資産の国庫への納入などの作業を行います。

相続放棄はマイナス資産を受け継がないための便利な手続きですが、一方で形見分けの品でさえ容易に持っていくことはできないなどの制約を受けることになります。
そのため手続き前に慎重に考える必要があります。

相続放棄しても管理責任は残る

勘違いしやすい点として、もし相続人が相続放棄したら遺品に対して何の責任も持たなくて良いと思うかもしれませんが実際は違います。
民法第940条によると、「相続放棄した人は放棄によって相続人となった人が相続財産の管理を始められるまで自己の財産におけるのと同一の注意をもって管理を継続」しなければいけません。

相続放棄した人は家や土地やその中の遺品を勝手に処分することはできませんが、この法律によると管理義務は原則残ります。
そのため管理不足によって何らかの被害が発生すれば損害賠償責任が発生します。
例えば老朽化した家の管理責任があるとして、もしその家が壊れて誰かが怪我したり物品被害が出れば責任を追及される恐れがあるので注意しましょう。

遺品整理は自分でやる?業者に頼む?

遺品整理の責任をだれが負うかについてはすでに見てきましたが、誰が遺品管理をするのかが決まったら、今後は遺品の仕分けやゴミの撤去、不用品回収などの実務的な作業を誰が行うのかという点を決める必要があります。
遺品整理は遺品を担当する遺族が自分たちで行うこともできますが遺品整理業者に依頼することもできます。

ただ遺品整理を業者に頼む方が良いのか、それとも遺族が自分でやる方がいいのかという点については断言することはできません。
遺族と故人との関係や故人の家の状況などによって、遺品整理の大変さや時間的余裕が変わってくるからです。
そこで状況別にどちらが遺品整理をする方が良いのかをまとめました。

遺族が自分ですると良い場合

まず遺族が自分たちだけやるといい場合ですが、以下のようなケースがそれに当たります。

■遺品の量が少ない場合
遺品が数点しかないような場合は、自分たちで処理したほうが費用の節約になります。

■過度に盗難を心配している場合
良心的な業者は決して盗難などしませんが、相続人の中にネコババされることをとても心配している人がいるなら自分たちでやる方が安心でしょう。

■一つ一つの遺品を時間をかけて整理したい場合
遺品の一つ一つを故人をじっくり偲びながら処理したい場合は自分たちでやる方が後悔がないでしょう。

■金銭的余裕がない場合
遺品の量にもよりますが、多ければ業者任せだと数万円~数十万円費用がかかることがあります。
費用を支払う余裕がないなら自分たちでやることになります。

業者に任せた方が良い場合

一方業者に任せると良いのは以下のようなケースです。

■遺品の量が多かったり時間がない場合
遺族が仕事で忙しかったり遠方に住んでいるなど遺品整理をする時間がない場合は業者に依頼するとスムーズです。

■故人が賃貸に住んでいて部屋を明け渡す必要がある場合
故人がなくなった後に大家や管理会社は部屋の明け渡しを求めてくるでしょう。
そうなるとゆっくり遺品整理をする時間はありません。そういう場合は業者に依頼して短時間で整理する必要があります。

■特殊清掃が必要な場合
孤独死などが原因で部屋が腐乱死体で汚染されてしまっているなら、素人は対処できません。
特殊清掃と呼ばれる特別な消臭作業や汚物除去が必要になるので、それに対応した遺品整理業者に依頼することになります。

■遺品に触れるのがつらい場合
遺族の中には「思い出が強く残っているので遺品を見たり整理するのがつらい」という人もいます。
そういう場合も業者に依頼する方がスムーズでしょう。
業者は遺品を大切に扱ってくれますが、良い意味で遺族ほど強く思い入れがないので作業が進みます。

遺族と業者双方が関係すると良い場合

遺族がある程度遺品整理したうえで特定の作業を業者に任せるという方法もあります。
以下のような依頼ができるでしょう。

●不用品回収だけしてもらう
貴重品や形見分けする遺品だけは自分で整理して、不用品の搬出だけ業者にお願いするケースです。
大きくて重い家具や家電の搬出は簡単ではないので、軽トラや2トントラックを持っている業者に依頼する方が楽です。

●特殊清掃だけしてもらう
特殊清掃が必要な場合は先述のように素人では対応できません。
そのためそれに対応した遺品整理業者に作業をお願いすることになります。
でも「そのまま遺品をすべて処理するのはしのびない」という時もありますよね。
そういう時は遺品整理が出来る状態まで清掃してもらって、その後に遺族が遺品の仕分けを行うこともできるでしょう。

ただし遺体の腐敗状況がひどかった場合などはリフォームの必要が発生することもあります。
そのため遺族がどのタイミングで遺品整理に参加できるかは業者とよく相談する必要があるでしょう。

まとめ

誰が遺品整理すべきかという点については、まず故人の相続人の間でよく話し合う必要があります。
相続放棄を選択する相続人がいる場合は特にそうです。
どの遺品に対して誰が責任を持つのかをよく話し合って、関係する全員が遺品整理に協力的な態度を示すことが大切です。

遺品整理の担当者が決まったら、遺品の片付けや仕分けなどの作業を遺族だけで行うか業者に依頼するかを話し合いましょう。
それぞれの場合にメリット・デメリットがあるのでよく比較して決定します。
もし業者に依頼する場合は、ゴミナビ!を使って相見積もりを取ることで費用を安く抑えられるのでぜひ利用してみてください。

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