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孤独死の遺品整理はどうすればいいの?遺品整理業者の選び方を解説

Posted by 2019.08.29 Business vector designed by Freepik
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近年日本で大きな社会問題になっていることのひとつに「孤独死」があります。
超高齢化社会と言われる現代にあって、特に年配の方の孤独死の問題が深刻化していますが、もし家族や親族の間で孤独死が起きると遺族は特殊な遺品整理をしなければいけません。

この記事では孤独死が起きるとどのような状況になるかを説明し、孤独死の遺品整理をしてくれる業者をどのように選べばよいか解説します。

孤独死の問題が深刻化している

国立社会保障人口問題研究所によると、2040年までに65歳以上の高齢者や独り暮らしする高齢者が世帯主となる世帯割合が非常に増加するようです。
昔から(超)高齢化社会とよく表現されてきましたが、研究所によると2040年には全世帯中の約44.2%が高齢世帯になるそうです。
そのうち一人暮らしをする65歳以上の高齢者は22.9%に増加するとされています。

高齢者が一人暮らしをする場合、大きな懸念になるのが孤独死の問題です。
孤独死とは誰にも看取られずに部屋でそのまま亡くなってしまうことを指します。
孤独死は孤立死や独居死とも呼ばれますが、いずれにしても孤独死が起きると家族や親族でさえその事実を知らずに時間が経過してしまうことが珍しくありません。

独り部屋での孤独死はなんと1年あたり約3万人にものぼります。
計算すると1か月あたり約2,500人、1日当たり約82人という大量の孤独死が発生しているので、自分や疎遠になっている家族や親族にとっても決して他人ごとではありません。

孤独死が注目されだしたのは1980年代ころからですが、特に都市部において孤独死問題は深刻化しています。
地方でも孤独死はありますが、隣人との接触がより少ない都市部では高齢者の死亡が周りから認知されないことが多いのです。都市部にはたくさん人がいるにも関わらず、昔の長屋のような人と人との交流が限られているので、孤独死が起きやすい状況にあります。

高齢者や生活困窮者だけの問題ではない

高齢者だけでなく中年層の孤独死も問題になっています。
中年になってからの離婚の増加や晩婚化などが原因で独り暮らししている人が多く、そのまま自宅で誰にも気づかれることなく亡くなってしまいます。
また生涯未婚率が高くなっているので、いわゆるゆとり世代や団塊ジュニア世代であっても孤独死の可能性は存在します。

孤独死と聞くと経済的に困窮している人が面する問題というイメージがあるかもしれませんが、実は経済的余裕があっても起きる問題です。
例えばある男性は貯金が2,000万円あって高級マンションに住んでいましたが、親族や近所との付き合いがなく腐乱死体となって発見されることになりました。
お金はあってもコミュニケーションがなければ孤独死はいつでも発生しえるということです。

もっと言うと孤独死は独り暮らしではなくても発生することがあります。
例えば親子や兄弟姉妹など同居している複数人がどちらも周囲との接触を持てずに、そのまま同じ時期にひっそりと亡くなってしまうケースも報告されています。
これも社会から孤立した死という意味では孤独死の一種です。

このように孤独死問題は近年日本で大きな社会問題として取り上げられていますが、徹底した対策が取られない限りは今後も増加し続ける恐れがあります。
そうなると孤独死という特殊な状況で遺品整理をしなければいけなくなる遺族もますます増えてくることでしょう。

孤独死の場合は特別な遺品整理が必要

もし家族や親族が孤独死すると、死亡確認や遺体発見までに経過する時間によっては特別な遺品整理作業が必要になります。
というよりは遺品整理を始めるための前準備が必要になります。
その前準備とは特殊清掃のことです。
特殊清掃とは基本的に孤独死などによる腐乱死体が発見されるケースで行われる特殊な消臭作業や汚染物の撤去などの作業を指します。

孤独死してもすぐに遺体が発見されれば特殊清掃は必要ありませんが、死後何十時間も経っているようなケースでは遺体から体液が染み出たり強烈な腐臭が放たれたりします。
亡くなった場所にはどす黒い体液が飛び散って染み込んだ状態になり、床深く浸透します。
また腐臭は壁や床、家財道具などに染み込んでなかなか取れなくなることもあります。

締め切った部屋で孤独死が発生した場合は臭いの染みつき方がひどく、専門の業者が洗浄・消臭作業をしても1回では取り切れないことがあるほどです。
このような状況下では当然遺品の仕分けや搬出作業はできません。
腐臭で卒倒しそうになることもあるので、まずは現場をできるだけきれいに特殊清掃しなければいけません。

特殊清掃作業が終了した後も通常の遺品整理が行えるわけではありません。
遺品の中には死臭が染みつきやすいものもあるので、故人の大切な思い出が詰まっているとはいえ遺族が形見分けできずに泣く泣く処分しなければいけないケースもありえます。
遺族の中には遺品を保管せずにほとんど廃棄してしまう人も多いでしょう。

さらに家具や住宅設備などの家財道具などにも臭いや汚物が染みつくことが多いため、不用品回収するものも通常の遺品整理よりは必然的に多くなります。

このように孤独死が起きると、特殊清掃という特別な作業がプラスされることが珍しくありません。
特殊清掃の必要が発生すると遺族の金銭的な負担が発生するだけでなく、賃貸であれば大家や管理会社に迷惑をかけたという気苦労も抱えます。
また疎遠だった故人へのやるせない気持ちも生まれるでしょう。

特殊清掃はどの業者でも行えるわけではない

特殊清掃は名前の通り通常の清掃とはわけが違います。
特殊清掃を必要としない遺品整理の場合、ゴミ屋敷でもない限り比較的簡易な清掃作業で原状復帰が完了しますが、特殊清掃では作業員が防護服に身を包んだ完全防備態勢で部屋に入ります。

季節や生前の生活状況などによってはハエやウジやゴキブリが大量発生していることもあるので害虫を徹底的に除去するための専用薬剤も必要です。
さらに特殊清掃用の消臭剤やオゾン消臭器なども使います。
体液がしみ込んでいる床材も撤去してリフォーム作業を行う場合もあります。

このように特殊清掃には特別な知識や用品、溶剤などが必要になるので、遺品整理サービスを提供している会社ならどこでも良いというわけにはいきません。
ちゃんと機材をそろえていてスキルや実績があるところに頼む必要があります。

特殊清掃と遺品整理、不用品回収を別々の業者に依頼することもできますが、まとめて一つの業者に依頼する方がスムーズですし費用や時間の節約になります。
そのため孤独死の遺品整理は基本的に、特殊清掃+不用品回収+遺品整理に対応した業者に依頼するのがベターです。

孤独死に対応できる遺品整理業者の選び方

身内の孤独死が発生して遺品整理をしなければいけなくなった場合、遺族は慎重に依頼する業者を選ばなければいけません。
先述の通り孤独死が原因の遺品整理は特殊清掃など特別なプロセスが必要になることが多いからです。
そのため以下のようなポイントを意識して業者を選びましょう。

■特殊清掃士が在籍している
特殊清掃士は民間資格の一つで、特殊清掃をしっかり行えるスキルや知識がある人に認められるものです。
これがないと特殊清掃ができないわけではありませんが、特殊清掃は徹底してやらないと臭いが残ってしまうことがあるため、きちんと原状復帰したいなら有資格者の在籍する遺品整理業者に依頼したほうが良いでしょう。

■遺品整理士が在籍している
遺品整理士も民間資格の一つですが、この資格は孤独死問題などを背景に近年注目されている資格です。
遺品整理士は法的な要素も踏まえた遺品整理の知識を有している上に、遺品を単なるモノではなく故人の大切な所有物という視点で見ます。
そのため遺品整理士に作業を依頼すると、孤独死した故人の思い出の品を大切に扱ってくれると期待できます。

■出来るだけ早く対応してくれる
もし孤独死してから時間が経過している場合、すでに近所にまで異臭トラブルが発生している可能性があります。
そうなると近隣トラブルや大家とのトラブルを避けるために少しでも早く特殊清掃や遺品の仕分けを行わなければいけません。
そのため見積もりから作業日までがスピーディーな業者が理想的です。

■作業費用が相場内で明快
孤独死が原因で特殊清掃やリフォームも必要になる場合、通常の遺品整理よりも費用はかさみます。
そうなると比較的高額な見積もりを出される可能性がありますが、その見積もり費用が相場に沿ったものなのか、そして費用の内訳が明快に記載されているかをチェックしなければいけません。

残念ながら遺品整理業を行う業者の中には遺族の気持ちをもてあそぶ悪徳業者もいます。
よく相場を調べないと高額請求の罠に陥ってしまうだけでなく、遺品も粗雑に扱われたり、最悪不法投棄されてしまう恐れもあります。
そのため業者選びをする時は一括見積りをしておおまかな相場を把握するようにしましょう。

その点ゴミナビ!で一括見積りをすると最大5社までの見積もりを同時に取ることができ、さらに優良業者のみを紹介しております。
無料で使えて口コミ情報や会社概要なども確認できるので、孤独死の遺品整理をする時におすすめです。

まとめ

近年大きな社会問題になっている孤独死は遺族や近隣住民、建物の所有者に大きな負担を強いることがあります。
特に遺族にとっては大きな経済的負担をもたらすことになるため、できるだけ身内の全員と定期的なコミュニケーションを図るのは大切です。
でも熱中症や発作などで突然家族や親族が亡くなるケースもあるので、孤独死や遺体の腐乱という問題を全て防ぐのは難しいです。

もし身内で孤独死が起きて特殊清掃などの特別な遺品整理が必要になったら、一連の作業に対応できて、かつ実績やスキルが十分にある業者を選ぶようにしましょう。
ゴミナビ!を使うことで良い遺品整理業者に出会いやすくなるので、一度利用してみることをおすすめします。

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