不用品回収ここだけの話

遺品整理は産業廃棄物許可証だけではダメ!業者の許可証を確認しよう

Posted by 2019.09.13 Business vector designed by Freepik
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遺品整理業を営んでいる業者は9,000社以上あると言われていますが、遺品整理業には廃棄物を収集運搬するための許可が求められます。
しかし業者の中には許可を持っていなかったり、許可なしでも作業するための条件を満たしていない業者が存在します。
悪徳業者にあやまって依頼してしまうと様々なトラブルに遭ってしまう可能性があるため注意が必要です。

この記事では悪徳業者が起こしかねないトラブルについて触れながら、遺品整理に必要な許可証について解説します。
また業者が持っているべき、あるいは持っていると良い資格などについても説明します。

産業廃棄物ってどんなもの?遺品整理のゴミは産業廃棄物?

廃棄物には大きく分けて一般廃棄物と産業廃棄物というものがあります。
産業廃棄物というとなんだか危険そうな廃棄物に聞こえるかもしれませんが、要は一般家庭ではなく事業者が出すゴミのことで、法令で定められた20種類のゴミがこれに当たります。
それ以外のゴミは一般廃棄物として分類されますが、家庭ごみもこの一般廃棄物のカテゴリーに入ります。

法令で定められた20種類とは以下の通りです。
1.燃えがら
2.汚泥
3.廃油
4.廃酸
5.廃アルカリ
6.廃プラスチック類
7.ゴムくず
8.金属くず
9.ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くず
10.鉱さい
11.がれき類
12.ばいじん
13.紙くず
14.木くず
15.繊維くず
16.動植物性残さ
17.動物系固形不要物
18.動物のふん尿
19.動物の死体
20.上記の産業廃棄物を処分するために処理したもので、上記の産業廃棄物に該当しないもの

1番から12番に関してはすべての業種に共通しているもので、13番から19番は特定の業種によるものです。

遺品整理で出るごみは産業廃棄物ではない

では遺品整理で出てくるゴミは一般廃棄物か産業廃棄物のどちらでしょうか。
遺品整理をする現場は基本的に家庭内ですよね。
ですから事業系のゴミではないので遺品整理で廃棄するものは一般廃棄物として処理されます。

つまり遺品整理の不要物を収集運搬するのに必要な許可証は産業廃棄物収集運搬許可ではなく、一般廃棄物収集運搬許可ということになります。
基本的に遺品を回収して廃棄する作業をする業者はこの許可証を持っていなければなりません。
あるいはその許可証を持っている業者と提携して働く必要があります。

産業廃棄物収集運搬許可をちらつかせる業者には要注意

遺品整理業者の中には、「わが社は産業廃棄物収集運搬許可を持っています」という点を強調してくる会社がいますが、先述の理由から一般家庭のごみ回収を行う権限はありません。
ですからもし産業廃棄物の許可証を所持していることをアピールするようならあまり信用しない方が良いでしょう。

もしその業者が一般廃棄物許可を持っていないとしても、持っている業者と提携しているのであればそのことをアピールする方が自然です。
しかしそこであえて産業廃棄物の許可をアピールするのであれば不自然です。
そういう業者は許認可を無視している可能性が大なのでどのようなトラブルを引き起こすか分かりません。
絶対に利用しないようにしましょう。

ただし一部例外があります。
家電リサイクル法で定められている4つの家電、つまりエアコンとテレビと冷蔵庫・冷凍庫と洗濯機・乾燥機については「相互乗り入れ制度」という決まりがあって、産業廃棄物収集運搬許可があれば収集運搬できます。
メーカーのリサイクルプロセスを利用することが条件ですが、これについては一般廃棄物の許可証がなくても大丈夫です。

また「専ら物」と呼ばれる、リサイクルが目的となる産業廃棄物や一般廃棄物に関しても特に一般廃棄物の許可がなくても行えます。
専ら物として明記されているのは以下の4品目です。

□古紙
□くず鉄
□あきびん類
□古繊維

ただし専ら物の処理は上記の品目から他の「マテリアル(物)」にリサイクルすることが条件です。
例えば古紙を使って包装用紙を作るといったリサイクル方法です。
焼却処分や埋め立てなどその他の処分方法を取ると正しいリサイクル方法とはみなされないため、無許可では行えません。

悪徳遺品整理業者によるトラブルと注意事項

ではもし産業廃棄物収集運搬許可しか持たず、一般廃棄物収集運搬許可を持っている業者とも提携関係にない業者に不用品回収を依頼するとどんなトラブルが起こり得るか見てみましょう。

◆不法投棄
法令にのっとった不用品回収を行わない業者は、少しでも利益をあげようとして適切な廃棄物処理の過程を無視します。
そのため依頼者から処理費用を取っておきながら不用品を空き地や山奥などに不法投棄してしまうことがあります。
実際北海道では何百キロもの不用品を不法投棄した業者が摘発されました。

◆買取価格でだます
法律を遵守しない業者は当然、遺品の買取をまともにするとは考えられません。
本当は価値があるものでも価値がほとんどないかのように言って安く買いたたこうとする恐れがあります。

◆遺品を粗末に扱う
故人の遺品は遺族にとっては重要なものですが、無許可の業者にとっては「どうでもよいもの」として映るでしょう。
そうなると粗末に扱われてしまう可能性があります。
仮に不用品だとしても遺族からすれば遺品の一部をぞんざいに扱われたら悲しいですよね。

◆ネコババされる
遺品が数多くある場合、遺品整理業者に貴重品の捜索も合わせて行ってもらう場合がありますが、もし無許可の業者にそのような作業を依頼してしまったら現金や貴金属などをネコババされてしまう恐れがあります。

このように無許可で遺品を処理しようとする業者につかまると、様々なトラブルに巻き込まれる可能性があります。
遺品整理は亡くなった故人に関連してたった1度しか行えない作業ですから、良心的な優良企業に任せたいですよね。
ですから業者選びの時は許可証の有無をしっかり確認すると良いでしょう。

公式HPとゴミナビ!の会社情報をチェックしよう

許可証の有無については会社の公式HPやゴミナビ!の会社概要に記載されています。
ここをチェックしてどのような作業を法的に行うことができるかをしっかりチェックしましょう。
電話やメールで尋ねる時に許可証の有無を尋ねても良いでしょう。
仮にその業者が無許可業者だった場合、その質問によって依頼者に一定の知識があることが伝わるので下手な行動はできなくなるでしょう。

ゴミナビ!を経由して業者選びをすることには他にもメリットがあります。
ゴミナビ!という第三者機関を通すことで悪徳業者が排除されやすいというメリットです。
どういうことかと言うと、ゴミナビ!には企業証明書などを提出しないと登録できないため、最初から優良企業だけが残って依頼者に紹介されるという仕組みがあるからです。

ゴミナビ!では最大5件の業者に相見積もりを一括で取ることができますが、これによって相場に準じた見積もりを出す会社が見つかり、さらにその中でも安い見積もりを出す業者を選び出すことができます。
利用は無料なので、安全かつ低価格で遺品整理業者に依頼したい場合におすすめです。

遺品整理業者が持っているべき他の許可や資格とは

遺品整理業者が不用品回収をする時に持っているべき一般廃棄物収集運搬許可証について解説してきましたが、遺品整理の内容によっては他にも持っておくべき資格があります。
それは「古物商許可証」です。これは遺品の買取をする時に必要となる許可証です。

遺品の中には金銭的価値を持つものがいろいろと含まれていることがあります。
例えば貴金属や美術品や骨董品などがその例ですが、それらの遺品を有料で買い取るにはこの許可証を持っていないといけません。
無償でもらったり、手数料だけ受け取って売却するというのであれば不要ですが買取には必要です。

古物商許可証の有無についても公式HPやゴミナビ!の会社情報に記載されているはずなのでチェックしましょう。

遺品整理士の資格がある業者がベター

遺品整理をするうえで必須の資格ではありませんが、「遺品整理士」という資格の有無もチェックすると良いでしょう。
この資格は「遺品整理士認定協会」という団体が認定している民間資格で、遺品整理の取り扱いプロセスや遺品整理に関係する法規制などの知識を持っている人に認定されるものです。

遺品整理士は主に遺品を不用品と必要な物に仕分けする作業を行いますが、故人の生きた証として遺品を取り扱ってくれるので、遺族としては故人をしっかり偲ぶことができます。
遺品整理業者の中には悪徳業者ではないにしても、わりと遺品を粗雑に扱う業者も見受けられます。
しかし遺品整理士という資格を取得した人が在籍している業者であれば、遺品を尊重してくれます。

さらに遺品整理士は廃棄物やリサイクルできる遺品に関しても専門的な知識を持っているので、できるだけ早く遺品整理を終わらせたい時にも作業がスムーズで助かります。
これから業者探しをするのであれば、保持しておくべき許可に加えて、遺品整理士の資格を有しているかも確認することをおすすめします。

まとめ

産業者遺棄物は事業系のゴミを指すため、遺品整理で出る廃棄物は該当しません。
もし遺品整理業者が産業廃棄物収集運搬許可しか持っておらず、一般廃棄物収集運搬許可を持つ業者と提携してもいないようであれば契約しないようにしましょう。
そうすることでトラブルの種を未然に防ぐことができます。

さらに業者を選ぶときは古物商許可証や遺品整理士などの許可・資格を有しているかも確認すると後悔しない遺品整理ができます。
ゴミナビ!の相見積もりサービスも使いつつ、良心的な優良企業を見つけてください。

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