不用品回収ここだけの話

遺品整理すべき時期はいつ?タイミングを決める時に考えるべき要素

Posted by 2019.08.22 Business vector designed by Freepik
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家族や親族が突然亡くなった場合、遺族は遺品整理をしなければいけません。
同居している家族が亡くなった場合はそれほど急ぐ必要はありませんが、離れて暮らしていた独り暮らしの家族ともなると話は別です。

この記事では遺品整理をどの時期にやるべきかに関して意識すべき要素をいくつかご紹介します。

遺品整理の時期:少しでも早く始めた方が良い時

遺品整理は処理すべき遺品の量や種類によって大変さが変わります。
また遺品整理する時期も故人の生前の生活や住んでいた場所、死亡の仕方などによって変わってきます。
一般的に遺品整理を少しでも早く始めなければいけないケースは以下のようなケースです。

●故人が独り暮らししていて孤独死
最近は年配の人の孤独死が大きな社会問題になっていますが、孤独死すると死亡確認や遺体の発見が遅れてしまう恐れがあります。
こうなると遺体の腐敗が進んでしまってかなりの腐乱臭が漂ってしまうかもしれません。
近所からの異臭へのクレームが発生することもしばしばなので遺品整理も急がなければいけません。

孤独死だけでなく自殺や事故死を遂げた場合も同様です。
故人と近縁との音信が不通だった場合、なかなか遺体が発見されないことがあります。
賃貸の場合は家賃の問題があるので戸建ての場合よりは早く発見されるかもしれませんが、いずれにしても衛生面や火災の危険を考えていち早い行動が求められます。

●故人が賃貸に独り暮らし
死亡がすぐに確認された場合は遺体の腐敗が起こる前に遺体処理が可能です。
でも賃貸だといつまでも遺品をそのままにしておくわけにはいきません。
大家や管理会社から退去や原状復帰が求められるので早く遺品整理しなければいけません。

●故人の家がゴミ屋敷で近所に迷惑がかかっている
死亡がすぐに確認されてかつ故人が持ち家に住んでいたとしても、もしその家がゴミ屋敷だったらやはり遺品整理に早急にとりかからなければいけません。
ゴミ屋敷だと悪臭や害虫が大量に発生する恐れがあるからです。

遺品整理の時期:時間に余裕がある時

もし故人が生前家族と一緒に生活していたのであれば、同居していた家族がすぐに対応できます。
同居していたのであれば家具や家電を共有していることが多いので、整理すべき遺品の量もそれほど多くないかもしれません。
また同居家族がいれば普通ゴミ屋敷になっている事もないでしょう。

さらに孤独死や自殺の場合のように悪臭による近所トラブルが発生することもないので、ゆっくり時間をかけて遺品整理できます。
同居していなくても故人が持ち家に住んでいたのであれば、賃貸物件のように大家や管理会社にせかされて原状復帰を急がなくても大丈夫です。

このような条件での遺品整理であれば、作業するタイミングのバリエーションは増えます。

急がない場合の遺品整理のタイミング1:各種手続きが終わってから行う

故人が他の人と同居していたのであれば別ですが、独り暮らししていたのであれば生活インフラなどの手続きを行う必要があります。
例えば故人が持ち家に住んでいて亡くなり、その後その家や土地を売却するわけでもなく他の人が住むわけでもない場合などです。
こういう場合は電気やガスや水道の契約を終了する必要があるでしょう。

また法的手続きもいろいろと必要です。
例えば以下のような手続きは早めに済ませなければいけません。

■厚生年金の手続き
■国民年金の手続き
■健康保険証の返却
■死亡届
■世帯主変更届

このような手続きを心労や心痛がある中で済ませていかないといけないので、なかなか遺品整理に手を付けるのは難しいかもしれません。
そういう時は後述するような相続関連の問題だけ先に済ませておいて、ほかの遺品をゆっくり処理していくのが良いでしょう。

急がない場合の遺品整理のタイミング2:法要に合わせて親族が集まる時

別のケースは法要時などに親族が集まることを利用しての遺品整理です。
仏教の場合は故人が死亡した日から49日目が法要において重要な日になっています。
このタイミングで家族や親族が一同に会することがあるでしょう。
また1周忌や3周忌などのタイミングで親族が集まることもあります。

故人の遺品を相続するのが核家族など少人数だけに限定される場合や、同居しているか近くに住んでいる家族と親族だけに限定される場合は話をつけるのが比較的簡単でしょう。
話し合いのために集まりやすいからです。
しかし大家族の大黒柱が亡くなって、かつ子供たちが離れたところに住んでいるといった状況であれば、なかなかみんなが一同に会する機会はないでしょう。

葬式のタイミングで集まるかもしれまんが、葬式の準備やその他必要な手続きで忙しく心労も重なるのでゆっくり遺品整理をしている暇はないかもしれません。
こういう場合に仏教で言うところの49日目のような別の会合チャンスがあれば話し合いの場があります。

相続放棄する場合などは時間制限に注意!

ゆっくり遺品整理ができる状況にあるとついつい作業を先送りにしてしまうかもしれませんが、相続に関して注意点があります。
例えば「相続放棄」の手続きなどがそうです。
相続するものの中にはプラスの遺産もありますが、マイナスの遺産も含まれていることがあります。
もし最終的に負の遺産が優勢になってしまうようであれば相続放棄して何も引き継がない決定ができます。

しかしこの手続きは基本的には相続発生が知らされてから3か月以内に開始しなければいけません。
しかし故人と親族がわりと疎遠だった場合などすぐに遺産が把握できないこともありますよね。
そのため遺品整理を何か月も放っておくと相続放棄が認められなくなってしまう恐れがあるので注意しましょう。

以上の点を考えると、家族や親族が亡くなったらまず金銭的価値のあるものや負の遺産があるかなどを調べて相続関連の作業だけはすぐに完了するのがベストです。
その他の遺品については、形見分けするなりそのまま保管しておくなどゆっくり作業していけば大丈夫です。
ただし遺品整理業者に作業を依頼する場合は、まとめて不要なものを処分してもらうと後々スムーズなこともあります。

ちなみに遺品を相続する場合、相続税の課税対象になる不動産や貴金属などについて10か月以内に申告・納税しないといけません。
それを過ぎると重加算税がかかってくるので、やはり相続に関する整理は早いうちに終わらせるようにしましょう。

遺品整理の順番を意識しよう

以上のポイントをまとめると、遺品整理の必要が発生した場合は以下のような流れで作業を進めていくことになります。

1.気持ちの整理
まずは家族や遺族を亡くしたことに対する気持ちの整理をつけましょう。
これは意外と重要なポイントで、事務的な作業ばかりに目を向けていると意外と後で後悔するような事をやってしまいがちです。
例えば早く遺品を片付けなければいけない場合、価値あるものを処分してしまったり、形見分けできそうなものを間違えて捨ててしまうかもしれません。

ですから家族や親族と連絡を取って故人を一緒にしのびましょう。
涙を流して泣くことで気持ちもすっきりします。

2.遺品整理を行う日を決める
ここまで見てきたように、遺体の状況や故人の住んでいた場所、家の状態などによって遺品整理の時期は変わってきます。
まずは遺品整理を急ぐべきかどうかを見極めて、それぞれの場合に応じて日付を決めましょう。
また遺品整理を自分たちだけでやるか業者に依頼するかも決めます。
なお遺体が腐乱しているなど特殊清掃が必要な場合は業者に頼む必要があります。

3.相続関連の手続きと金銭的価値のあるものの捜索
基本的に相続放棄する場合は勝手に遺品の処分ができません。
つまり遺品整理を始めることができず、原則的には遺品に手を触れることもできません。
ただし故人と疎遠だった場合など、ある程度遺品を見てみないと相続放棄すべきかどうか分からないケースもありますよね。
このあたりはグレーな部分があるので相続に関して不明なことがあればまず法律家などに相談しましょう。

問題がないようであれば、売却したり廃棄しない程度に簡単に相続物になりそうな遺産や金銭的価値を持つものを捜索してリストにしましょう。
そのうえでプラスの遺産とマイナスの遺産とを比較して相続するか放棄するかを決めます。

4.遺品整理
もし故人に負の遺産がなさそうで相続放棄はしないのなら遺品整理を始めることができます。
金銭的な価値を持つものを売却するなどしつつ、遺品を「形見分けするもの」、「とりあえず保管するもの」、「不用品として処分するもの」などに仕分けていきましょう。

まとめ

遺産整理を行う時期は、単純に遺族の時間的・金銭的・感情的状況だけで決まるのではありません。
故人の死亡後の状況や住まいによってある程度時期が決まってきます。
ある程度時間的余裕がある場合でも、相続に関してできるだけ早く手続きを開始したほうが良いものがあるので、あまり悠長に身構えるのは避けた方が良いでしょう。

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