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遺品整理と相続放棄の順番を間違えると大変!相続放棄の正しい方法

Posted by 2019.08.27 Business vector designed by Freepik
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家族が亡くなった後に遺族が行うべき手続きはたくさんありますが、最重要項目の一つが相続財産に関する手続きです。
相続財産は受け継ぐこともできれば放棄することもできますが(「相続放棄」)、もし放棄するなら遺品整理とのタイミングに注意する必要があります。
実はタイミングを間違えると相続放棄できなくなるケースがあるからです。

この記事では相続放棄の基本的な方法や注意すべき遺品整理とのタイミングについて解説したいと思います。

相続放棄と遺品整理との関係は?

まずは相続放棄について簡単に説明しておきたいと思います。
相続放棄とは、配偶者や子どもなど故人の法定相続人が遺産相続をするのを放棄することです。
ちなみに法定相続人以外に、故人が残した遺書などによって財産を譲られる包括受遺者という存在もいますが、これらの相続人たちが遺品の中の財産を放棄すること、つまり受け取らないことを相続放棄と呼びます。

「何故せっかくの財産を放棄するのか」と思うかもしれませんが、実は相続する財産は必ずしもプラスの財産だけとは限りません。
マイナスの財産も含まれることがあります。例えば骨董品や美術品、貴金属などのプラス資産があっても、借金と合わせて計算すると最終的にマイナスにしかならない場合があるでしょう。

このような場合、遺族にとってはプラスの財産もマイナスの財産もまとめて受け継がないですむ相続放棄を選択する方が良い場合があります。
ではこの相続放棄と遺品整理とがどのように関係するかを見てみましょう。

相続放棄と遺品整理との関連

結論から先に言うと、相続放棄をする場合は遺品整理ができなくなります。
ここで言う遺品整理とは、遺品を処分したり売却したりすることを指します。
相続放棄をするということは「プラスの資産もマイナスの資産も一切受け取らない」ということなので、遺品には基本手を触れることができないわけです。

「家族だから故人の遺品をある程度自由に扱ってもいいのでは?」と疑問に思うかもしれませんが、相続放棄とはそういうものです。
ですから相続放棄を安易に決断するのはリスクがあるのでやめておきましょう。
じっくり相続人同士で話し合って、遺品を受け継ぐ方がいいのか受け継がない方がいいのかを考えてから結論を出すようにしましょう。

相続放棄しようと思っていても、もし勝手に遺品整理をしてしまったら「相続する意思がある」とみなされて相続放棄ができなくなってしまいます。
この場合「単純承認」と言って、プラスであれマイナスであれ遺産を引き継がないといけません。
勢いでいろいろ遺品に手を付けると後戻りできないので、金銭面の手続きは慎重に行わなければいきません。

どんな遺品も整理できないわけではない

遺族が相続放棄する場合は勝手に遺品整理できなくなると解説しましたが、これはどんな遺品にも全く手を触れてはいけないというわけではありません。
遺品の中に写真や手紙などの思い出の品が含まれていて、遺族は形見分けのためにそれらの品を整理したいと思うことでしょう。

これらの「思い出の品」にもし市場価値がない場合、形見分けすることはできます。
常識的に考えて、それらを持ち出したところで金銭的な損失が発生するわけではないからです。
でももし形見分けしようとしている品に何らかの価値が発生しているのであれば話は別です。
それらの遺品を整理すると単純承認とみなされてやはり相続放棄ができなくなる恐れがあります。

そのため疑いをかけられないためにも、相続放棄が受理されて確認が取れるまではあまり遺品に触れないのが賢明です。
写真であっても許可なく持ち出さない方が良いでしょう。
このあたりは遺族だけでは判断しきれないところがあるので、細かな疑問や不安がある場合は法律家に一度相談するのが賢明です。
遺品に触れたい気持ちも分かりますが、相続放棄するなら慎重に行動しましょう。

ゴミなら触れてもいい?

故人が賃貸住宅に住んでいて、かつ部屋の中にたくさんゴミがあるという場合、すぐにでもゴミを片付けないと周りに迷惑がかかってしまう可能性があります。
また賃貸ではなく持ち家でもやはり物が散乱しているのは気持ちが良いものではありません。
では相続放棄する場合、あからさまにゴミのようなものを処分することはできるでしょうか?

「ゴミだったらいいんじゃないか?」と思うかもしれませんが、そういう場合でも下手にいじらないのが良いです。
もし遺品整理をどうしてもしなければいけないときは、家庭裁判所に財産管理人の選任を申し立てできます。
管理人は遺品や遺産を管理する選ばれた弁護士の事で、遺品に関するすべての権限を持つ役職です。
コストは数十万かかることがありますが、トラブル回避に便利です。

もしコストが気になるのであれば、まずは司法書士や弁護士などで無料で相談にのってくれる法律家を頼ってみると良いでしょう。
相続放棄をすると素人が勝手な判断で動けなくなるので、必ず法律の専門家の力を借りましょう。

相続放棄の正しいやり方

ではここからは相続放棄する場合の正しいやり方を見ていきましょう。
相続放棄の手続きは、相続について知ってから3か月以内に行わなければいけません。
手続き先となるのは被相続人の最終住所地を所轄する家庭裁判所となります。

●相続放棄申述書
●被相続人の戸籍の附票か住民票の附票
●申立人の戸籍謄本
●収入印紙:800円
●切手(80円×5枚くらい)
●被相続人の死亡が記載されている戸籍謄本(申立人が被相続人の配偶者か子、孫の場合)

最初の5つは誰が申立人でも必要なものですが、この他にも申立人が誰によるかによって必要書類が増えることがあります。
より詳しい情報は申立人を決めた後に家庭裁判所に確認すると良いでしょう。

マイナス遺産がありそうなら限定承認を使おう

相続物に関する手続きは主に以下の3つに分類できます。

■単純承認
遺産を故人からそのまま引き継ぐ方法です。

■相続放棄
先述の通りプラスの遺産もマイナスの遺産も受け継がない方法です。

■限定承認
これはプラスの財産から借金などのマイナス遺産を引いた分を相続する方法です。

故人が残した遺品の中にどれだけのプラス遺産とマイナス遺産があるのかすぐには分からないケースもありますよね。
そういう時に便利なのが限定承認です。
これを使うとプラスとマイナスとを差し引いてもし+財産が余れば相続するという便利な選択ができます。
もしマイナス財産が多ければその分は払う必要はありません。

ただし限定承認は相続人全員が共同で申し立てる必要があるので、相続放棄よりは手続きが多少面倒になる可能性があります(相続放棄は1人でできる)。
また相続開始を知った日から3か月以内に申し立てしなければいけません。
素人には少し難しい所もあるので、限定承認する場合も法律家の助けを得ると良いでしょう。

まとめ

遺品整理をする場合は相続財産のことを考える必要があります。
もし故人に借金などのマイナス資産がない場合は、通常相続人やその他の遺族が遺品整理に参加して適切に遺産を分与することになりますが、マイナス資産が上回るようなら相続放棄する方がメリットが大きいケースがあります。

しかし相続放棄と遺品整理のタイミングを間違えると相続放棄の権利を失うことがあるので注意が必要です。
もし相続放棄するなら基本的に遺品整理はできないということを覚えておきましょう。
仮にゴミや形見の品であっても部屋に手をつけることはできません。
それぞれケースが違うので、法律家に相談しつつ遺品整理のプロセスを踏むのが賢明です。

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